5これからのメニューデザイン
長尾
ここ数年、デザインをしていくうえで重要な事はアレルギー表記です。
岡村正昭先生
(以下敬称略)
(以下敬称略)
メニュー表に必ずといっていいほど記載されていますね。アレルギーに近しい問題として、宗教上食べられないものについても最近はよく耳にするようになりました。
では、海外の旅行者がガイドブックを見て「醤油ラーメン」を食べてみたいと思ったとしましょう。
ハラルの方は信仰に関わってくるので豚は絶対に食べたくありません。醤油ラーメンの英語表記はご存じですか?
では、海外の旅行者がガイドブックを見て「醤油ラーメン」を食べてみたいと思ったとしましょう。
ハラルの方は信仰に関わってくるので豚は絶対に食べたくありません。醤油ラーメンの英語表記はご存じですか?
長尾
SOY SAUCE NOODLEでしょうか。
岡村
そうですね。SOY SAUCE NOODLEで限界かもしれませんね。
ですが「SOY SAUCE」というソースの中に何が入っているのかが分からないですね。
ハラルとは豚肉そのものは勿論、スープのダシに豚の骨を使うこともNGです。
調味料に使うお酒もNGです。SOY SAUCEそのものを伝えないといけませんね。
それは何のためなのか。クレームやトラブルを避けるためです。
このような個人の信念や主張に対しての対応に日本は遅れていると思います。
ですが、先ほどからのお話の通り多様化は進んでいるのです。短期の旅行者だけではありません。
日本国内の労働者も外国人が増えている事は周知の事実です。
ですが「SOY SAUCE」というソースの中に何が入っているのかが分からないですね。
ハラルとは豚肉そのものは勿論、スープのダシに豚の骨を使うこともNGです。
調味料に使うお酒もNGです。SOY SAUCEそのものを伝えないといけませんね。
それは何のためなのか。クレームやトラブルを避けるためです。
このような個人の信念や主張に対しての対応に日本は遅れていると思います。
ですが、先ほどからのお話の通り多様化は進んでいるのです。短期の旅行者だけではありません。
日本国内の労働者も外国人が増えている事は周知の事実です。
長尾
今はアレルギー表記の依頼のほうが多いですね。ハラル対応はまだまだという実感です。
岡村
今後は増えていくと思います。東京オリンピックもあります。
分かりやすく各国の方々全てにアピールするのは難しいですね。
日本ではアレルギーの代表格で小麦や卵をよく聞きますが、海外ではピーナツのほうが良く聞かれます。スペインやヨーロッパは桃アレルギーが多いと言われています。
分かりやすく各国の方々全てにアピールするのは難しいですね。
日本ではアレルギーの代表格で小麦や卵をよく聞きますが、海外ではピーナツのほうが良く聞かれます。スペインやヨーロッパは桃アレルギーが多いと言われています。
長尾
義務表示で7品目、推奨で21品目のアレルギー表記がありますが今後は品目も増えるかもしれませんね。
アレルギーに関する情報も昔と違い、誰でも容易にインターネットで知ることが出来るようになりました。
情報が溢れているため、それを見やすく分かりやすくまとめることもデザインの業務のひとつとなってきています。
消費税に関しては、テイクアウトと店内で値段が変わります。
情報を綺麗にまとめる作業をするだけではなく、それらをちゃんとフードデザイン、フードグラフィックに落とし込むことは作業工程が増えるだけでなく、デザイナーの高いスキルも必要です。
アレルギーに関する情報も昔と違い、誰でも容易にインターネットで知ることが出来るようになりました。
情報が溢れているため、それを見やすく分かりやすくまとめることもデザインの業務のひとつとなってきています。
消費税に関しては、テイクアウトと店内で値段が変わります。
情報を綺麗にまとめる作業をするだけではなく、それらをちゃんとフードデザイン、フードグラフィックに落とし込むことは作業工程が増えるだけでなく、デザイナーの高いスキルも必要です。
岡村
現代のデザイナーは大変だと思います。昔より情報量がケタ違いに多いですから。
100年前はアレルギーなんてほとんど意識しなかったのに今は当たり前に意識しないといけない。
100年前はアレルギーなんてほとんど意識しなかったのに今は当たり前に意識しないといけない。
長尾
花粉症の人は過去にも存在していたと思うけれど、「よく分からないけど春になると目がかゆくて鼻水が止まらない」という感じだったのでしょう。
岡村
100人いたら100、いや1000通りの情報があるのかも。
それを取捨選択しなくてはいけない。
それを取捨選択しなくてはいけない。
長尾
ベジタリアン、主義主張、宗教、糖尿病、糖質を気にしている人、色んな方がいます。
カロリー表示なのか糖質表示なのか。誰が何を必要としているのか。
設計したうえでのデザインが必要ですね。
カロリー表示なのか糖質表示なのか。誰が何を必要としているのか。
設計したうえでのデザインが必要ですね。
岡村
ふだんファストフードを食べない高齢者の方でもCMを見て一度食べてみたいと思った時にちゃんと頼めるようなデザインになっているか。
通常メニューに全部記載するのではなく、初心者向けの専用メニューを作っても良いのかもしれません。
通常メニューに全部記載するのではなく、初心者向けの専用メニューを作っても良いのかもしれません。
長尾
「高齢者の人は焼き魚と味噌汁とご飯」というイメージは現代では通じないですよね。
ステーキ屋さんにも行かれます。
ステーキ屋さんにも行かれます。
岡村
高齢者こそ肉を食べて元気になることを推奨されています。
テレビや雑誌の健康特集でも見かけますね。
テレビや雑誌の健康特集でも見かけますね。
長尾
料理によってこれは若者、これは高齢者と分けることは時代にそぐわないのかもしれないですね。飲食のメニューはデザインを見に来ているわけではない。
料理を食べに来ているわけであり、その空間を楽しみに来ている。 メニューが主役になる必要はないと思っています。
料理を食べに来ているわけであり、その空間を楽しみに来ている。 メニューが主役になる必要はないと思っています。
岡村
体験ですね。
長尾
そうですね。
そういったデザインを常に作っていこうと日ごろ思っています。
メニューがお店の、その会社のパンフレット的な存在になることもあります。
看板そのものもHiRASAWAはデザインしますが、メニューブックが一番身近にお客様に見ていただけるものであり大事なツールだと思っています。
そういったデザインを常に作っていこうと日ごろ思っています。
メニューがお店の、その会社のパンフレット的な存在になることもあります。
看板そのものもHiRASAWAはデザインしますが、メニューブックが一番身近にお客様に見ていただけるものであり大事なツールだと思っています。
岡村
今のお話は飲食店のオーナーさんに聞かせたいですね。
HiRASAWAさんに頼めば何をしてくれるのか。
あなたのお店であり会社の「人となり」をメニューブックにしますという話ですよね。
「自分から見た自分」しか知らなくても、「他人から見た自分」をデザインすることが出来る、とも置き換えられますね。
HiRASAWAさんに頼めば何をしてくれるのか。
あなたのお店であり会社の「人となり」をメニューブックにしますという話ですよね。
「自分から見た自分」しか知らなくても、「他人から見た自分」をデザインすることが出来る、とも置き換えられますね。
長尾
そうですね。そのような考え方を大事にしています。
岡村
メニューブックは他にも役割がありますね。
とあるステーキ屋さんは、1グラム単位で注文するお店です。
初めての人はそのシステムに戸惑う事もあるでしょう。
そんな時はメニューブックが説明書のような役割も果たします。
伝える、分かりやすくする、使いやすくする。ジツケンの仕事にも通じます。
とあるステーキ屋さんは、1グラム単位で注文するお店です。
初めての人はそのシステムに戸惑う事もあるでしょう。
そんな時はメニューブックが説明書のような役割も果たします。
伝える、分かりやすくする、使いやすくする。ジツケンの仕事にも通じます。
長尾
飲食店の場合は、食べ終わって美味しかったのであれば満足度はそれなりにありますので、
どこに不便、課題があるのか発見できないことが多く難しいジャンルとも言えます。
岡村
HiRASAWAさんが今後お仕事をされていく中で、お店の課題、問題点も指摘してあげながらそれを改善するデザイン、改善する提案が出来ると飲食店業界にとって新しい風ですね。
UDではなく、UDコーディネートを実行してください。問題や課題を見つけて、改善するところまで実行するのがUDコーディネートです。
UDではなく、UDコーディネートを実行してください。問題や課題を見つけて、改善するところまで実行するのがUDコーディネートです。
長尾
今後そういう依頼は増えてくると思います。
その時にHiRASAWAとして準備をしておかないといけないと。
岡村先生とお話させていただき、改めて思いました。
その時にHiRASAWAとして準備をしておかないといけないと。
岡村先生とお話させていただき、改めて思いました。
岡村
AIがいくら発達しても、そこにはまだまだ辿り着けないと思います。
長尾
軸をブレないようにコントロールしていくことも大事だと思います。
最近よくあるのが、嘘ではないけれど、綺麗な写真の問題です。
実際の商品との差が生じてしまった場合です。
以前はそれも大きな問題ではなかったけれど、綺麗に見えすぎないようにという要望もあります。
おそらくお客様からクレームが入ったのだろうなと思います。 飲食のデザインは写真が重要ですので、写真を入れるか入れないかで売れる数が違います。
また、写真を入れる商品はお店の看板商品という場合がほとんどです。
最近よくあるのが、嘘ではないけれど、綺麗な写真の問題です。
実際の商品との差が生じてしまった場合です。
以前はそれも大きな問題ではなかったけれど、綺麗に見えすぎないようにという要望もあります。
おそらくお客様からクレームが入ったのだろうなと思います。 飲食のデザインは写真が重要ですので、写真を入れるか入れないかで売れる数が違います。
また、写真を入れる商品はお店の看板商品という場合がほとんどです。
岡村
その看板商品を頼み、期待をしていたところ、想像していたものと違っていたとなるとクレームにつながりますよね。
実際の提供物と同じ容量を守っている、材料も勿論同じ。
嘘はないけれど、写真が良すぎることが問題になるとは、まさかですよね。
実際の提供物と同じ容量を守っている、材料も勿論同じ。
嘘はないけれど、写真が良すぎることが問題になるとは、まさかですよね。
長尾
汚く見せるわけではないのですけれど(笑)。伝え方が非常に難しいと思います。
フードグラフィックの世界に共通の悩みかもしれません。
フードグラフィックの世界に共通の悩みかもしれません。
岡村
ファストフードの広告は似て非なるものが出てくる可能性は大きいですよね。
でもそれは笑い話のように済まされてしまう場合もある。
ファストフードは短い時間の中で作るものなので、多少のことには寛容なのかもしれません。
ですが、初めて入ったお店でいきなり寛容には思えないですよね。
良く見せたいけど、見えすぎても誤認させてしまう。
でもそれは笑い話のように済まされてしまう場合もある。
ファストフードは短い時間の中で作るものなので、多少のことには寛容なのかもしれません。
ですが、初めて入ったお店でいきなり寛容には思えないですよね。
良く見せたいけど、見えすぎても誤認させてしまう。
長尾
でも良く見せないといけないので、極端に言いますと写真はやめて今回からは文字だけにしようとか。
岡村
「写真はイメージです」という一文を入れることもありますね。
長尾
今は9割くらいの感覚で入れています。合成も当たり前になりつつありますのでイメージですよね。
大げさに伝えすぎないようにしないといけないとは思っています。
大げさに伝えすぎないようにしないといけないとは思っています。