3高齢者に寄り添ったフードグラフィックを目指して
岡村正昭先生
(以下敬称略)
(以下敬称略)
では、カレー以外も見てみましょう。
他のメニューはどうですか。注文できそうですか?
他のメニューはどうですか。注文できそうですか?
長尾
チゲ?ですか?雑炊?
なんの食べ物かまったく判別がつかないです。
なんの食べ物かまったく判別がつかないです。
岡村
高齢者が新製品はあまり購入しないという傾向があります。
見たことがあるもの、既によく知っているものは、多少見えづらくても何なのかが想像がつきますよね。
いつものお店のいつものオムライス。間違えようがないので安心安全ですよね。 毎回、自分が知っているものを頼む方もいます。
実利用者視点を持つことで、環境やデザインが生み出す問題を一つ一つ解決していくことが上手に高齢者対応を行うことだと教えています。
見たことがあるもの、既によく知っているものは、多少見えづらくても何なのかが想像がつきますよね。
いつものお店のいつものオムライス。間違えようがないので安心安全ですよね。 毎回、自分が知っているものを頼む方もいます。
実利用者視点を持つことで、環境やデザインが生み出す問題を一つ一つ解決していくことが上手に高齢者対応を行うことだと教えています。
長尾
飲食店は若い方の誘致ももちろんですがこれから高齢者が増えることは分かっていることです。
高齢者の誘致を考える時代がきているわけですね。
高齢者の誘致を考える時代がきているわけですね。
岡村
高齢者市場はまだまだブルーオーシャンだと言えます。完璧な高齢者対応ができている企業は非常に少ないです。
これから3人に1人が高齢者になる時代です。
高齢な利用者が自分で気づかない課題や問題に、気づくことが出来るのは、知識を学んだ制作者です。
つまりHiRASAWAさんでは長尾さんのようなデザイナーです。
さて、他にもメニューには写真が豊富にありますけど、違いはわかります?
高齢な利用者が自分で気づかない課題や問題に、気づくことが出来るのは、知識を学んだ制作者です。
つまりHiRASAWAさんでは長尾さんのようなデザイナーです。
さて、他にもメニューには写真が豊富にありますけど、違いはわかります?
長尾
沢山あるのはわかりますが、内容はほとんど分からないですね。
岡村
ハヤシライスとカレーライスの区別はつきますか?
長尾
つかないですね。全て同じにみえてます。商品が分からないと頼めないですよね。
岡村
店頭に美味しそうなハンバーグの食品サンプルが飾ってあるとしましょう。
それを見て店内に入る、もしくはとても分かりやすい表示で「ハンバーグ」と書いてあって、認識をして入店される方がいらっしゃいますよね。
さて、お店に入ってハンバーグを注文しようとします。
テーブルに置かれたメニューにも親切にハンバーグの写真があったとしましょう。
店員さんが来て「ソースはどれにしますか?」と聞かれます。
慌ててメニューの写真を見返します。
ソース?それはなんのこと?和風?大根おろしなの?
実はよく見えていません。
チーズは?中に入っているの?上にかかっているの?
詳しく聞きたいけれど、店員さんもランチタイムで忙しそうです。
ハンバーグを食べることを楽しみに入店したのに、注文するだけで一苦労。
それでは楽しみは減退してしまいますよね。
それを見て店内に入る、もしくはとても分かりやすい表示で「ハンバーグ」と書いてあって、認識をして入店される方がいらっしゃいますよね。
さて、お店に入ってハンバーグを注文しようとします。
テーブルに置かれたメニューにも親切にハンバーグの写真があったとしましょう。
店員さんが来て「ソースはどれにしますか?」と聞かれます。
慌ててメニューの写真を見返します。
ソース?それはなんのこと?和風?大根おろしなの?
実はよく見えていません。
チーズは?中に入っているの?上にかかっているの?
詳しく聞きたいけれど、店員さんもランチタイムで忙しそうです。
ハンバーグを食べることを楽しみに入店したのに、注文するだけで一苦労。
それでは楽しみは減退してしまいますよね。
長尾
想像がつきやすい状況ですね。
岡村
フードグラフィックの本質は「情報伝達」ですよね。
「食事を楽しみたいお客さま」と「食事を楽しんでもらいたい提供者」。
その二者をつなぐ情報伝達を確実に快適に行うことが重要ですよね。
「食事を楽しみたいお客さま」と「食事を楽しんでもらいたい提供者」。
その二者をつなぐ情報伝達を確実に快適に行うことが重要ですよね。
長尾
せっかくおいしいものを食べに来たのに。
メニューひとつで高齢なお客さまをがっかりさせてしまうのは心苦しいです。
メニューひとつで高齢なお客さまをがっかりさせてしまうのは心苦しいです。
岡村
外食に出かけることは、新しいものや美味しいものが食べられるので楽しみという方もいます。
しかし、もし外食する度にがっかりしたり、気を張らないといけないとなると自分の家で、いつもの総菜をス-パーで買う方が安心できると思う方もいるわけです。
しかし、もし外食する度にがっかりしたり、気を張らないといけないとなると自分の家で、いつもの総菜をス-パーで買う方が安心できると思う方もいるわけです。
長尾
テレビで紹介されたパスタのお店にわざわざ出かけ、注文に迷ってお店のスタッフから「あのおばあちゃん、まだ決まらないの?」というような視線を浴びるのは嫌ですよね。
フードグラフィックと高齢化を結び付けて考えると色々な局面が見えてきました。
フードグラフィックと高齢化を結び付けて考えると色々な局面が見えてきました。
岡村
高齢者が特別なお客さまではなく、お客さまの中に高齢者がいるのです。
当たり前にお客さま対応ができること。これからはもっとそれが求められてくるわけです。
当たり前にお客さま対応ができること。これからはもっとそれが求められてくるわけです。
長尾
先生のお話を聞かせていただくと高齢者の方に寄り添ったフードグラフィックがもっと周知されていけば外食に行く高齢者も増えていくような感じもします。
外食市場が潤いますね。
外食市場が潤いますね。
岡村
経済効果も期待できますが、肝心なことは実利用者視点のデザインで考えるようになることです。
今ある課題を「デザインで解決する」ということを考えていかないと、良い写真、目を引くデザインが良いということではなく、
「デザインの価値がなんなのか?なんのためにあるのか?」
ということを考え続けることが重要なのです。
今ある課題を「デザインで解決する」ということを考えていかないと、良い写真、目を引くデザインが良いということではなく、
「デザインの価値がなんなのか?なんのためにあるのか?」
ということを考え続けることが重要なのです。