4道具について
高杯
YUKO HAMA SELECT (インタビュアー:「TEINEI」製作委員会)こちらは素手で触って大丈夫ですか?
緊張します。
緊張します。
浜裕子先生
(以下敬称略)
(以下敬称略)
はい、勿論ですよ。
私の器は「暮らしの器」なので、観賞用ではなく実際に使うものですので。
私の器は「暮らしの器」なので、観賞用ではなく実際に使うものですので。
ではこちらの盃は日常的に使われていらっしゃるのですか?
浜
盃なので乾杯の時やおもてなしの時に使う時が多いですね。
塩辛とか、いくらおろしを入れてもオシャレな先付になります。
色々な使い方がありますよ。
高さがある盃なので「高盃」(たかつき)と呼ばれています。
塩辛とか、いくらおろしを入れてもオシャレな先付になります。
色々な使い方がありますよ。
高さがある盃なので「高盃」(たかつき)と呼ばれています。
「高盃」は昔から使われているものなのでしょうか?
浜
弥生土器からも出土されています。
デザインはこれとは少々異なりますが、昔から身分の高い方が使う器には、
高台(こうだい)が高いものが多いです。
このように高台に高さがあるものとして、「馬上盃」といい、
馬の上でお酒を飲み、武将が戦に行く盃というのもありました。
デザインはこれとは少々異なりますが、昔から身分の高い方が使う器には、
高台(こうだい)が高いものが多いです。
このように高台に高さがあるものとして、「馬上盃」といい、
馬の上でお酒を飲み、武将が戦に行く盃というのもありました。
興味深いですね。
浜
私はテーブルコーディネーターなので、
このように高さのある器は見栄えがあると考えています。
このように高さのある器は見栄えがあると考えています。
スタイリングでは重要な役割になるのですね。
浜
コーディネートをしていく上で、
高低差をつけることが出来る商品が和食器にあまりないこともあり、
私がデザインして職人さんに作っていただきました。
高低差をつけることが出来る商品が和食器にあまりないこともあり、
私がデザインして職人さんに作っていただきました。
浜先生のデザインなのですね。
制作された作家さんを教えていただけますか。
制作された作家さんを教えていただけますか。
浜
伝統工芸輪島塗、加藤漆器店の加藤勇さん※です。
素敵ですね。大きさなども浜先生がお考えになられたのですか?
浜
そうですね。
持った感じの足の太さ、高さ、デザインを私が考え、
あとは実用でぎりぎりの細さまで、加藤さんが検証してくださいました。
試行錯誤して半年、設計図が出来てから完成までに7カ月。
約1年がかりの作業でした。
持った感じの足の太さ、高さ、デザインを私が考え、
あとは実用でぎりぎりの細さまで、加藤さんが検証してくださいました。
試行錯誤して半年、設計図が出来てから完成までに7カ月。
約1年がかりの作業でした。
時間をかけて作られたのですね。
浜
国産の漆を使っていますので温度や天候にも影響されます。
国産の漆は希少なのですか?
浜
今は99%が輸入です。国産はわずか1%です。
漆塗りには100以上の工程があるので時間もかかります。
手塩にかけた良い物なので、長く、大事に使ってもらいたいですね。
漆塗りには100以上の工程があるので時間もかかります。
手塩にかけた良い物なので、長く、大事に使ってもらいたいですね。
大事にしまい込むのではなく、日用品として。
浜
そうなのです。
暮らしに息づく器、道具というのが私のテーマでもあります。
漆は使えば使うほど経年変化をしますので、
生きている器を感じることが出来ます。
それは使わないと分かりません。
暮らしに息づく器、道具というのが私のテーマでもあります。
漆は使えば使うほど経年変化をしますので、
生きている器を感じることが出来ます。
それは使わないと分かりません。
良い物を扱うときは所作も自然と丁寧になります。
それが日用品であっても、同じように接したいですね。
それが日用品であっても、同じように接したいですね。
浜
そうですね。
大切に、でも日常使いで使っていただきたいですね。
大切に、でも日常使いで使っていただきたいですね。
※文中
伝統工芸輪島塗 加藤漆器店さん
http://kato-wajimanuri.com/index.htm
http://kato-wajimanuri.com/index.htm